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湯浅善衛参加者
枇杷の会では普段はなかなか行く機会のない場所で年2回吟行しており、同窓の輪が年々広がって参加者が増えてきています。
平成14年6月から長年ご指導をいただいている本井英元教諭は高濱虚子研究の第一人者で、大磯の鴫立庵の庵主もされていらっしゃいます。
句会の後は軽く一杯を楽しみながら友人の消息や昔話などを語り合い、世代を超えた仲間作りが出来ます。志木校に入って本当に良かったと思える機会です。 俳句の経験がない方々もこれを機にぜひ句会に参加してみませんか。<第59回 枇杷の会大磯句会報告>
第59回枇杷の会は、5月25日、本井先生が庵主をされている鴫立庵をお借りして大磯で句会を行いました。
前日までは雨の予報でしたが、11時に集合し、各々吟行を開始する頃には晴れてきて少し汗ばむ陽気となりました。内閣総理大臣を務めた吉田茂は週末を大磯の自邸で過ごし、大磯の開かれた海、明るさ、暖かさを愛したと言います。
大磯港、照ヶ﨑海岸、こゆるぎの浜を始めとして、大隈重信・陸奥宗光・旧古河別邸のある明治記念大磯庭園、旧吉田茂邸等、吟行場所には事欠かず、また薔薇を始めとした花々にも恵まれた季節で、想い出に残る吟行となりました。<皆様の自薦句、順不同>
籐椅子をゆったりと置く畳かな 英
一鉢に二十も有るやクレマチス 恭輔
統監の愛でし浜辺や夏きざす 正博
鴫立の沢の水辺や涼の音 伸次
滴りの零れて庵に鴫の井戸 洋太
山若葉波打ちガラス越しに観る 文比古
広重の想い鮮やか虎が雨 誠
波ぎはを少しく離れ鱚の竿 かおる
こゆるぎの浜にサーファー夏霞 啓舟
夏草に防潮ゲート開いたまま 昌平
木瓜の実や藤村邸の玻瑠歪み 次郎
松並木ふくいくたる香や緑立つ 善兵衛<英先生の御句(一部)>
籐椅子をゆったりと置く畳かな
籐椅子や吾が家の如く深く掛け
籐椅子にしばらくあれば鹿威し
問はるれば黄薔薇の濃きを好むなり
龍鱗を這ふ青蔦の途半ば<英先生の選句>
さびき釣りばかりや鯵の二三枚 昌平
雨に濡れて首を垂れる紫蘭かな 恭輔
統監の愛でし浜辺や夏きざす 正博
青嵐踊り子号の通過待つ 善兵衛
山若葉波打ちガラス越しに観る 文比古
自治会の初夏の集ひとバーベキュー 昌平
五月雨れて鴫立沢の音高し 善兵衛
鹿威鳴りて孑孑ちょと動く 昌平
海開き待つ大磯や良く晴れて 洋太
葉桜や百足屋旅館ありきてふ かおる
吉田邸ロイヤルローズ華やかに 文比古
シンナーの匂ふ薄暑の港かな かおる
枇杷の実や鴫立沢に然りげ無く 啓舟
夏草に防潮ゲート開いたまま 昌平
大磯やいま新緑と潮騒と 洋太
木瓜の実や藤村邸の玻瑠歪み 次郎
籐椅子に座りゆったり薔薇愛でん 啓舟
波ぎはを少しく離れ鱚の竿 かおる
おのおのに板宛がはれ燕の巣 次郎
一鉢に二十も有るやクレマチス 恭輔
霧雨や鴉と我と葉桜と 次郎
緑さす板の廊下に文机に 洋太
波の背のひとしほ濁る卯月かな かおる
軽暖の太平洋岸自転車道 昌平
滴りの零れて庵の鴫の井戸 洋太
おそろしく錆びたるトタン柿若葉 かおる本井先生からは、見つけたものをできるだけ単純に表現することや、“の”や“に”の使い分け等のご指導といつもながら丁寧な句評をいただきました。
次回は11月30日(日)、有栖川宮公園~三田まで吟行し、慶応義塾大学三田キャンパスで句会を行います。
参加ご希望の方は、慶應志木会事務局芹澤様までご連絡下さい。15期 深瀨啓司
31期 湯浅善衛 -
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